俗に「ネコカゼ」と言われるものは、猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)です。
はじめは咳やくしゃみ、発熱、鼻水など風邪のような症状が続きます。
目やになどが多くなり、角膜炎や結膜炎を引き起こします。感染力が強く、他のウイルスとの混合感染も多いため、特に子猫の場合重篤化し、死亡する場合もあります。
成猫のほとんどがこの病気に罹患していると言われ、体調不良により発症します。
慢性疾患で難治化するケースの裏側にこの感染症が潜んでいることがあります。
病気の封じ込めのために定期的なワクチン接種を勧めています。
重篤例です。結膜炎がひどく目を開けることができませんでした。
子猫は生まれてからしばらくは、母猫から譲り受けた免疫で感染症から守れます。
しかし、残念ながらその免疫は長続きしません。
この免疫は徐々に低下し、子猫は病気に対して無防備になってしまいます。
ワクチン接種をすることで、免疫機能を持続することができます。
治療後の写真です。大きな目を開けることができるようになりました。
子猫の時にワクチン接種することで得る免疫で、一生守られるわけではありません。
猫を一生守り続けるためには、定期的なワクチン接種が必要となります。
猫のライフスタイルや、地域ごとの病気の発生状況などがありますので、獣医師とよく相談し、最適なワクチンプログラムを選んであげてください。
詳しくは当院にご相談ください。