「おぅ、ゆきち。まんまとやりやがったな」
これは、おかーちゃんの親分さんじゃ、ありませんか。
いったい何のことで、あっしはもう、ぬすっと家業から足を洗ったんで…
「こども屋の壱から、お上に訴えが届いててな… いやぁ、普通の猫なら、お宝があんな中に入ってるたぁ、気がつくめぇ。 怪盗猫小僧と呼ばれたお前ぇさんだからこそ、可能な仕業だったんじゃねえのかい?」
いったい、何の証拠があって…
「証拠なら、ここにあらぁ!」
うっ、こ、これは…
「この袋に残ったキバの痕… 確かにお前ぇさんのものに、間違いあるめぇ!」
参りました…
おかーちゃんの親分さん、神妙にお縄をちょうだいいいたしやす。
「匂いのしねぇれとるとぱうちに入ったぜんざいに手をつけるたぁ、まったくお前ぇは呆れた猫だぜ…」